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木曜日, 4月 30, 2009

心の中で「待ってました!」


(また落語の話か・・・)

落語を勉強し始めて、タイトルと話の内容が頭の中でリンクできるようになることが楽しくて仕方がない。
例えば「三軒長屋」と聞いて、
「あ!伊勢屋、妾、鳶の頭、へっぽこ剣術士の話!!」
と言った感じで登場人物が頭の中に出てくると凄くうれしい。楽しい。

4/22 立川談春独演会 大宮ソニックシティ

一席目は「三人旅 おしっくら」。
この噺で与太郎の出番は少ないが、立川談春さん演じる与太郎の「でへへ」と笑う顔が何とも好きだ。

二席目は「品川心中・上」。
初心者の僕にとって「品川心中」はビッグタイトル。
まくらが進むに連れて「もしや品川心中・・・?」
「来た!待ってました!品川心中!!」と心の中でガッツポーズを取ってしまいました。

今回の談春さんの「品川心中」は、金蔵がお染にだまされて悔しくて悔しくてぼろぼろになりながら真夜中に長屋に戻って来る。その時長屋の仲間たちは博打に興じており「役人が来た!」と部屋の明かりを消し、真っ暗な部屋の中であたふたする。その描写がすごく詳しく色々なパターンで描写されてました。
あまりに慌てて漬物樽にはまって、そこで股間を強打し慌て過ぎて「ち○こが取れた」と言った男が茄子の古漬けを持ってたというのが面白かったです。

「はっはっはっは」の高笑い、「お前ねぇ」、「何ぃ??」の時の談春さんも何とも好きです。

水曜日, 4月 22, 2009

人生の全て


「学問とは、貧乏人の暇つぶし」
「努力とは、馬鹿に与えた夢」
「馬鹿とは、状況判断が出来ないから結果を間違える奴」
「未来とは、修正できると思ってる過去」
・・・
立川談志の「やかん」に出てくるフレーズだ。

最近落語をむさぼるように聞いており、
「立川談志がいいよ」
と友人に言うと、「どこがいいんですか?一番の良さは何ですか?」
と聞かれた。その場では答えられなかったが何日も何日も考えた結果、

「そうや!立川談志の言葉には一点の間違いも狂いもない!」

ということに気付いた。

それが全て。人間が生きていく上での指針・道標は全て立川談志の言葉、立川談志の落語に詰まっている。いや、全ての落語の中に人間の美しさ、儚さ、醜さ、いやらしさ、その他諸々全てが詰まっている。
常識の中で生きている私たちが、頭の中でしか実現できない非常識。
それを落語という世界では全て容認してくれる。
このあたりは立川志らく著「全身落語家読本」、DVD「立川談志×太田光 笑う超人」で詳しく見られるので気になる方はご覧になって下さい。

4/18 有楽町・よみうりホール「立川談志独演会」。
「二人旅」、「粗忽長屋」の二席。
演芸論は語れないため割愛。
立川談志はやっぱり落語に真剣に真正面から取り組んでいた。晩年のジャイアント馬場の試合のような、「馬場がリングに上がって動く姿を見るだけでいい」というような感覚はこれっぽっちもない。
立川談志は常に落語と取っ組み合っていた。
感動したとしか言いようがない。

googleの最終的な目標は、「全ての人間の思考・行動をデータベース化し検索できるようにする」ということを聞いたことがあるが、おそらくそれは「常識」というデータベースの中だけのもの。
立川談志は、落語は「常識」、「非常識」全てのデータベースの中を検索できる。

さあ、今日は大宮で立川談春。